● 伝染病予防ワクチン
 
  猫の健康を脅かす伝染性の病気は数多くあります。現在予防ワクチンが開発されているのは4種類で、
 そのうち3種類が混合ワクチンとして一般的に接種されています。
 単独で接種されるのは、猫白血病ウィルスに対するワクチンです。

  混合ワクチンとして接種されるのは、猫ウィルス性鼻気管炎、猫カリシウィルス感染症、猫汎白血球減少症の
 3種類で、これらは回復可能な病気ですが、罹ってしまうと症状が重く、場合によっては生命の危機を
 招く事があります。 
  また、これらの病気は伝染力が強く、一頭が罹ると同じ地域に住む猫たちが次々に感染、
 発病しかねません。ワクチンを接種していても感染しないわけではありませんが、接種していない場合に
 比べたら、罹ってもひどくならずにすみます。

  ノラ猫の場合、自然界の中でこれらの伝染病に対する抵抗力(免疫)を若干つけていると
 考えられますが、ワクチンによってその免疫力を強化することで、地域全体に病気が蔓延する事
 を防げますし、何より面倒をみている猫たちの治療(手間もお金も)が軽くすみます。

 ● ワクチン接種のメリット・デメリット
接種した場合 接種しなかった場合
メリット ・伝染病に対する抵抗力が出来、病気が広がりにくくなる。
・発症して治療にお金をかけるよりは安くすむ。
・費用がかからない。
デメリット ・費用がかかる(4000円〜5000円)
・ごくまれにアレルギー反応を起こす事がある。
・治療に時間と費用がかかり、時には助からない事もある。
・病院によってはワクチン未接種では入院等受け入れてくれない所もある。
・1頭が発症する事によって病気が広がり、他の猫にも感染する恐れがある。
〇病気のノラ猫の管理 
  
  ・ 病気のノラ猫を自宅療養させる場合、自分が飼っている猫がいると その猫に病気がうつること   
   があるので、部屋を分けるか、金網ケージ(檻)を使うなどして隔離する方が良いでしょう。
    ノラ猫の世話をする時は、エプロンなど着たりして服をカバーし、終わったら丁寧に手を洗う事も  
   大切です。
   (食器やトイレも併用せず、分けた方が良いでしょう。使用する用具は良く洗い、消毒するなら
    キッチンハイターのような塩素を使用します。)

  ・ 猫は人間と比べて体の大きさが違うだけでなく、薬の種類によっては効き方にも違いがあるので
   自己判断で人用の薬を与えてはいけません。病気が悪化したり、場合によっては死亡する事も
   あります。
    猫の異常に気付いたら、詳しい治療法について、できるだけ早く獣医師に相談しましょう。


〇猫がかかりやすい病気《感染症》 
病名 症状 主な感染方法 予防・感染猫への対処
猫ウィルス性鼻気管炎 発熱、咳、鼻炎などの典型的なカゼの症状。特に涙、鼻水、よだれが目立つ。 感染猫の鼻水、クシャミなどの分泌物との接触。 ワクチン接種。
感染猫の隔離。
猫カリシウィルス感染症 かかりはじめはカゼの症状が見られ、進行すると舌や口の周りに潰瘍が出来る。肺炎を併発する事もある。 分泌物、便、尿などとの接触。人、食器など間接的な接触でもうつる。 ワクチン接種。
感染猫の隔離。
猫汎白血球減少症 食欲の低下、発熱、嘔吐。下痢がはじまると脱水症状が起こる。体力のない仔猫などは1日で死に至る場合がある。 便、尿、嘔吐物との接触。感染力が強く、人、食器、ノミなどによる間接的な接触でもうつる。 ワクチン接種。
感染猫の隔離。
猫白血病ウィルス感染症 症状は様々で、白血病、リンパ腫など多くの病気の原因になる。 唾液、尿、乳汁との接触からうつる。 ワクチン接種。(ただし接種前に血液検査が必要)
感染猫の隔離。
猫免疫不全ウィルス感染症
(猫エイズ)
初期はあまり目立つ症状がなく気付きにくい。(リンパ節の腫れ、下痢など)
無症状の時期が数年にわたって続いた後、慢性の口内炎、下痢などの症状が見られるようになる。様々な感染症に対する抵抗力が失われる。
交尾やケンカによる咬傷から血液・唾液を通してうつる。
※人間にはうつらない
避妊・去勢手術をして発情に伴う猫のケンカを抑制する。
感染猫の隔離。
ケンカ傷の感染(外傷) 元気・食欲がなくなり、熱が出たり、猫の体のどこかに腫れや痛み・化膿が見られたり、肢を引きずる様子が見られる事がある。 傷の中に猫の口腔内の細菌やその他の雑菌が侵入する事により感染する。 避妊・去勢手術をして発情に伴う猫のケンカを抑制する。
完全室内飼いにする。
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